【書評・要約】プロセスエコノミー~物語にこそ価値がある~を読んでみた感想とまとめ

プロセスエコノミー

自分の得意なことで、社会で活躍したい!

自分が作ったものを一人でも多くの人に届けたい!

上記のように、

ビジネスパーソンや新しいサービスを生み出したい起業家に向けて書いている記事です。

うちの会社で作った商品は機能性に優れてて、どんな家庭にも役に立つ。
だけど、いくらビラを撒いて、広告を打ち出してもいっこうに売れない…

そんな状況を打破する方法が

今回紹介する書籍でわかります。

それは、

商品の価値を「完成品」ではなく「制作過程」に重きをおくことです。

この記事を読めば

うまくあなたの商品やサービスを世に広げるためのコツがわかります。

著者のプロフィール
  • 著者:尾原和啓(オバラカズヒロ)
  • 日本の執筆家・IT批評家。
  • IFringe81執行役員や経産対外通商政策委員、産業総合研究所人工知能センターアドバイザーも務める
  • グロービス経営大学院「テクノベートMBA」特別講座講師、BBT大学「ITビジネスの戦い方」講師。

Wikipediaより引用

プロセスエコノミーの本を読んでわかること
  • プロセスの重要性
  • プロセスエコノミーで大事な考え方
  • プロセスエコノミーの具体的な実践方法

1.プロセスエコノミーを読んで得た学びと要約

・プロセスエコノミーとは?

何かしらの商品を製作するまでのプロセス(過程)自体を製品化し、

ビジネスにするという概念です。

その例としては

マンガ家ならマンガを書いている姿をライブ配信して、それ自体を売る

というものです。

これは、できあがった成果物を売っていません。

マンガができるまでのストーリーだったり、

作成者のストーリーを売っています。

著者は、変化の早い今の時代には

成果物を売ることより、

プロセスに価値をもたせることが重要だといいます。

それはなぜでしょうか?

・アウトプットエコノミーVSプロセスエコノミー

理由は大きく2つのことが挙げられます。

  • 良いものを作るだけではモノが売れない時代だから
  • インターネットの普及で、どの業界も品質の水準が上がってきているから

です。

その理由を詳しく理解するために、

アウトプットエコノミーというものがあります。

プロセスエコノミーと相反するものがアウトプットエコノミーです。

例としては

マンガを作っているところではお金を稼がず、できたマンガを売る

映画を作っているところではお金を稼がず、できた映画を売る

料理を作っているところではお金は稼がず、できた料理を売る

などが挙げられます。

アウトプットエコノミーは

「制作過程は公表せず、できた商品を売る」

これは、きわめて一般的な商売の仕方です。

・世にリリースするまで商品の企画、制作を緻密にこつこつと練り仕上げていく

ことに重きを置いています。

そして良いものが完成すれば、他社と差別化を図ることができました。

しかし、今はどうでしょう…

誰かが役に立ちそうな「良いもの」を作ったら

その3日後には、全世界でコピーされてしまいます。

つまり

いくら時間をかけて、いいものを作ったとしても

リメイク版がでて埋もれてしまうのです。

それもそのはず。

インターネットの普及で、誰もがいい情報を得ることができ、

良いものをつくることが簡単になったからです。

コピーがしやすい今の時代は

料理店や音楽業界など

ジャンル問わず品質水準が上がってきています。

こし

たしかに、今まずいお店ってないよね。

美味しいのに安いお店が増えてきている気がする。

それでは個人事業主は太刀打ちできません。

大手が参入してきたら、

莫大な資金力とマーケティング力に負けてしまうのがオチです。

これはネット社会ならではの特徴です。

ネットが普及していなかった時代では

アウトプットエコノミーは通用していましたが

それももう過去のマーケティングですね。

ミミ

じゃあお金も人脈もない人は具体的にはどうしたらいいにゃ?
うまい魚を売っても、無理だってこと!?

こし

そんなことはないよ。
商品を開発するまでのプロセス(ストーリー)だったり、
自分のこだわりを相手に伝えることが大切です。

・「WHAT」や「HOW」よりも「WHY」を重要視せよ

  • なぜやるのか・こだわりをさらけ出せ!

情報発信者なら、役立つ情報を発信し徐々に人気がでてきたとしても

他に同じような人気者が出てくれば淘汰されてしまいます。

大事なのは、Why(なぜ)それを発信するのかです。

あなたがWhat(何)を発信し、

How(技)を使うのかは重要ではありません。

Why(なぜ)には、それを発信している、発信者のこだわりや信念です。

自分がどうしてそれを発信するのか、そこに価値があります。

こだわりや信念は誰にもコピーされません。

ではここで思考実験をしてみましょう。

あなたは、どちらの商品に魅力を感じるでしょうか?

A:わが社は素晴らしい商品を作っています、美しいフォルムと高級なデザイン、そして親しみやすく誰でも簡単に使えます。いかがでしょうか?

B:わが社は「情熱を持つ人々は世界を変えられる」という信念を持っています。
一緒に情熱をもやして世界を変えてみませんか?
その手段として、美しくデザインされ簡単に使えて親しみやすい商品をあなたに提供します。いかがでしょうか?

AよりもBに魅力を感じませんでしょうか?

BはApple社の大切にしている

「情熱を持つ人々は世界をより良く変えられる」

という信念です。

Appleがこれほどまでに人気なのは

what(何)やHow(技)ではなく、

Why(Appleの信念、つまり心)に

多くの人が心を打たれ共感が得られているからです。

ここらへんの理解については、

サイモン・シネック氏の「How great leader inspire action」

(優れたリーダーはどうやってアクションを促すか)

を見てみるとわかります。

2.プロセスエコノミーを読んで、私が変わったこと

・(ビジネスの視点で)完成品でないとダメだという固定概念が外れた

Before

完璧主義。一人でやりきらないとダメだ。

自分の頭で考えてもに詰まるだけで、

半日で終わるタスクを2週間以上かけてやることもしばしば。

After

完璧じゃなくていい。

今の自分がやったところで40%の力しか発揮できない。

それよりも他者からフィードバックをもらい

ブラッシュアップすることで高めていった方がよりいいものが作れる。

  • 役立つ情報だけをプッシュしない
  • 今できることを全力で発信し、相手のフィードバックを受ける
  • なぜ自分は発信をするのか、こだわりや自分の信念を伝える

プロセスエコノミーは

これからのネット時代を生き抜くためにとても重要な考え方です。

情報発信者としても、子どもを育てる親としても、

一人で完璧なモノを完成させるというより、

周りの人や家族の感想や意見を取り入れながら

共にクリエイトしていくことを目指していきたいと思います。

・(親の視点で)成績や他者からの評価よりも没頭する様子や取り組む過程を大切にする

これは前々から大切にしていることだけど

日本の教育は、

たった一つの解をいかに導き出すかを重要視している傾向があります。

全てに解があるわけではなく、

そして正解が生きるうえで、正とも限らない。

多種多様な価値観がある世の中で

良いも悪いも判断するのは自分自身であって

他者からの評価ではない。

何かに夢中になる中で

多くの気付きがあり感情が揺れ動き、成長していく。

その過程にこそ価値があるということも、子どもたちには感じてもらいたい。

プロセスエコノミーのまとめ
  • 変化の早い現代では良いものを作るだけは売れない
  • 製品やサービスはコピーされてしまうが、プロセスはコピーできない
  • 成果物を売るだけの商売は時代遅れ。
  • プロセスに価値をつけるためには、なぜ(Why)それをやるのかという哲学を示し、こだわりやストーリーを伝えることが大事である。