<STEP1>おうちの整え方 【1-8】基本編 空間・動線のデザインを理解する。
もくじ
この章を読んでわかること
●アフォーダンスの設計の仕方
●定位置管理や動作、動線に合った工夫でムリなく家が片づく方法
これだけおさえておけばいい。
自由な時間を生み出すためのおうちづくりの原則
①アフォーダンスの設計
この章はコレ↑
②モノの選択基準
アフォーダンスの設計
アフォーダンスとは
モノや環境が与える意味のことです。
もう少しかみ砕いて言うと
目の前のモノや環境を見て、
何をするかが瞬時にわかる状態のことです。
暮らしのトリセツ流アフォーダンスの設計は、
頭で色々考えることなく、自然に行動ができる空間づくりのことを意味します。
つまり、今までの知識や経験から
頭で考えなくても、
自然に行動ができる空間を設計し
ムリなく自然にモノを取り出したり、片づけたりできることです。
歯を磨く例を挙げてみましょう。

これは皆さん普段していることだし、
考えなくても悩まず歯を磨けますよね。
この行動を細かく分けると
①洗面台に行く②歯ブラシや歯磨き粉、コップを手に取る
③歯を磨く④うがいする⑤口をタオルでふく⑥歯ブラシなどの後片付け
と大まかですが、6つも工程を踏んでいます。

あまり意識してなかったけど、そんなに工程があったのね~驚
①②③・・・と次の動作に移るまでに
モノをとり出すまでの動線が長かったり
手間のかかる動作が加わっていると、散らかる可能性が高まります。

タオルをとるまでの動線が長かったり、とりづらい収納棚にあったら、
さらに工程が増えるわね…

アフォーダンスの設計を活かした例
・歯ブラシ、歯磨き粉、コップは利き手側の洗面ボウル近くにまとめて設置しておく
・タオルは引き出しに収納するのではなく、洗面台の横に箱に入れてセットする
歯を磨く一連の行動には、
上の工程でも6つの動作をしていて、
使うアイテムはざっと4つあるでしょうか?
おうちづくりでは、
この日常の動作やアイテム数、配置に着目し
無駄な労力や時間を減らすことがポイントとなります。

毎日行う生活習慣であればあるほど、使いやすい空間の設計が大事だね。
朝出かける時に、支度に時間がかかって
バタバタすることはありませんか?
また、
仕事を始める前、デスクが散らかっていて
気付いたら、机の整理に時間をとられていることはありませんか?
その背景には、
●片づけにくい収納になっている
●戻す場所を決めていない
●一つの作業に使う複数のアイテムを、ひとまとめにしていない
原因が挙げられます。
アフォーダンスの設計を極めると
子どもでも、大人に聞くことなく一人で調理から後片付けができるキッチン
友達が遊びに来ても、すぐに仕様がわかるキッチン
が完成します。
反対に、
・どこにどうしまっていいかわからない
・とりだすまでの手間が多いと
人はめんどくさがりなので
途中でやーめたっと置きっぱなしにします。
それではいつまでも片づきません。

じゃあどうしたらいいのか教えるね。
それらの問題を解決するための
整理収納アドバイザーのテクニックを紹介します。
直感のデザインを設計するのに使える4つの整理収納テクニック
直感のデザインを設計するのにポイントとなるのが、動作とアイテム(数や配置)
下のテクニックを使えば、
ムリなくモノの出し入れができ、散らかる状況を防ぐことができます。
①定位置管理(ラベリング)


定位置管理(ラベリング)とは、モノの住所を決めてあげること。
<ラベルの良い点>
○誰が見ても一目でどこにしまえばいいのかわかるようになる。
○引き出しに、他のモノが混ざってこないので、引き出しの中が整う
<注意点>
○何でもかんでもラベルをつけないこと。←一時的にあるものは、今後スペースがムダになってしまうよ(;’∀’)
○お店で売っている既成のラベルを無理にでも全部使おうとしないこと
<ラベルをつける条件>
○常時、家に置いてあるものだけつける ex エプロン お弁当 カトラリーなど
○ラベルをつけなくても、わかるものにはつけなくてもいい
②動作や動線に合った収納
●使う人の背丈に合っている


こども服や靴など、子どもが使うモノはその子の手の届く高さにおさめましょう。そうすることで、自分で身支度ができるようになるので成長にもつながりますね。
●からだに負担のない高さ・使用頻度別にモノが収納されている


よく使うものは中。たまに使うものは下。めったに使わないものは上が鉄則。
中>下>上の順に使いやすいよ。
重たいものは下に置きます。
●ついモノを置いてしまう高さの家具は散らかってもすぐわかる位置に配置


腰の高さの家具はついモノを置きやすいのでどうしても散らかりがち。
イラストのように腰高のテーブルが部屋の目立つところに配置してあると、
視界に入りやすいので「片づけよう」という意識が働きます。
逆に、死角になる部屋の隅にテーブルが置かれていると、
モノが置かれても気にならないので散らかりやすくなります。
③グルーピング


一つの作業で複数アイテムを使うのであれば、大きめのケースに一か所にまとめておいた方が効率がいいよ。
上のイラストの他にも
和食・洋食セット/身支度セット/お絵描きセット/冠婚葬祭セット/月曜セット/晩酌セット/ティーセット など色々グルーピングができるね♪
④定位置管理(写真暗示)
写真暗示とは、
整った空間を写真におさめて
いつでも見れる状態にすることです。
どこにしまったらいいかわからない、
人によってしまい方が違う場合は
どんな状態が整った状態なのか
一人一人の認識がズレていることが原因です。
家族など誰かと一緒に住む家は、
共有スペースは特にこれを意識すると
同じ認識でそのゴールに向けて
みんなが動くことができます。
整理収納業界では、
①適正量の決定②動作・動線にあった収納③グルーピング④定位置管理⑤使用頻度別収納
5つの鉄則があります。
アフォーダンスの設計では、②③④⑤を網羅しています。
まとめ
●アフォーダンスの設計・モノの選択基準を理解し実践することで時間を生み出すことができる。
●ラベリングとはモノの住所を決めてあげること。
他の混入を防ぎ誰でも一目でわかる状況を作れる。
●グルーピングとは、一つの作業で複数アイテムを使う場合にまとめて収納すること。
まとめるものは家庭により異なります。セットにしておきたいもので構わない。
●人はめんどくさがりな生き物。だれでもすぐに散らかる可能性が高い。
●特に毎日の活動(身支度など)になっていることは直感のデザイン設計を意識すべし
アフォーダンスの設計になっているか?簡単チェックシート
今後、おうちづくりを進める際(実践編)に、こちらの5つの質問を参考にしてみてください。
アフォーダンスの設計になっているか?簡単チェックシート
・普段使うものは、すぐにとりだせる場所にあるか?
・よく置きっぱなしになっているものはないか?
・使う人の背に合った場所においてあるか?
・とりだすまでに取りにくいなと感じているものはないか?
・一つの作業で複数アイテムを使うものはまとまって置いてあるか?
次は、自由な時間を生み出すためのおうちづくり
②モノの選択基準について紹介していきます。
椅子→「座る」
ドアノブ→「まわして開ける」
フック→「ものをかける」
電車を待つ人の列→「この列に並べばいいんだな」
コイン投入口→「ここにお金を入れればいいんだな」
その光景をみただけで、どうすればいいか自然とわかることを指します。